お部屋探しの豆知識

平成16年に国土交通省により作成された「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」により昨今、退去時の敷金精算の際の返金をめぐって、大家さんと入居者の間でトラブルが増加しています。
トラブルの多くが「通常損耗部分の修繕費用」をめぐる解釈の違いによるものですが、この問題は、退去時の問題としてではなく、入居時からの問題として捉えることにより回避することができると考えられています。
「契約書」や「重要事項説明書」には、退去時に入居者にどこまでの費用を負担してもらうかが記載されています。契約の時点でこの説明をしっかりと聞き、負担部分に疑問がある場合は、納得のいく説明を求めましょう。説明に納得がいかない場合は、安易に契約を行わない事です。 また、入居したお部屋が新築でない限り、入居時に大家さんと不動産業者に立ち会ってもらい、入居時の部屋の状態を確認し、写真や文章で記録を残しましょう。退去時に「最初からあった損耗」なのかを判断するのに有効な資料となります。
敷金精算のトラブルは、どのような結果になろうとも、大家さん・入居者双方にとって、とても後味の悪いものとなるのは事実です。そのような事態を起こさぬよう、「契約の時が始まりの問題」としてトラブルを起こさぬよう、大家さん・入居者ともに理解と努力をしましょう。

近年のペットブームにより、賃貸住宅でも「ペット飼育」を求める入居者が増加し、そのニーズに応えるべく、「ペット可物件」も増えてきました。しかし・・・「ペット可物件」に入居したからといって、好きにペットが飼えるわけではありません。ほとんどの物件では、ペットの大きさや種類、飼育の頭数に制限を持たせています。
賃貸住宅は、そのほとんどがアパートやマンションなどの共同住宅です。「ペット可物件」に入居する方々ですから、ペットの飼育に理解のある方ばかりですが、その中においても共同住宅でペットを飼育するからには、ルールが必要となります。
犬においては「無駄吠えをしない」「廊下や階段では抱いて歩く」、猫については「完全室内飼い」など、各物件それぞれの様々な決まりがあります。飼い主はそのルールを厳守し、共同住宅でペットを飼育するためにはしっかりとした「しつけ」を行う必要があります。共同住宅でのペット飼育には、様々な制限があり、その飼い主にはより高いモラルが求められます。

賃貸住宅においてもトラブルは発生します。「近隣トラブル」や「退去時の敷金精算トラブル」できることなら「当事者」にはなりたくありませんが、もしもトラブルに巻き込まれてしまったときはまずは仲介をした不動産業者に相談に行きましょう。
しかし、問題によっては不動産業者以外の相談者が必要な場合があります。そのようなときには市町村などが行っている無料の法律相談や、弁護士会へ相談すると良いでしょう。
また、不動産に関する相談は不動産業者が加入する社団法人「宅地建物取引業協会」でも受け付けています。場合によっては弁護士なども紹介してくれますので、そちらの窓口を介して適切な相談場所を探してもらうことも可能です。
もしもトラブルに巻き込まれてしまったときには、一人で悩まず、問題が大きくなる前に適切な機関に相談しましょう。

賃貸住宅の契約は、入居時に敷金や礼金を支払うのは基本ですが、最近では敷金・礼金を必要としない物件が登場し「入居時の費用を抑えられる」となかなか人気のようです。
しかし・・・契約する前にちょっと考えて見ましょう・・・本当にそれはお得な契約なのか?
ここでは、敷金・礼金ゼロ物件を契約する際に気をつけたい3つの例を取り上げます。

1.「特約事項」に注意
敷金を支払っていれば、退去の際に行われるハウスクリーニングの費用等が、借主負担となっている場合、敷金から差引き精算されることがほとんどですが、その敷金がなければ精算が出来ません。
敷金・礼金ゼロ物件の場合、退去時にかかる費用を特約事項の中で「実費負担」としている場合があります。過失修繕部分なら仕方がありませんが、ハウスクリーニングなどの基本修繕がそうなっていると、壊したところは何もないのに必ず「実費負担」の請求が来ることなり、契約時にかからなかった分の費用を退去時に支払う事となります。
「特約事項」にそのような内容があったときは、概算の費用や内容の詳細までしっかり確認しましょう。
2.その物件・・・何年住みますか?
敷金は、万が一その入居者が「家賃滞納」をしてしまった場合、大家さんは預った敷金を不足分に充当するをいう使われ方をすることもしばしばです。敷金を預らないということは、大家さんにとって「家賃滞納」がおきてしまった時に充当できるものがないということです。
そのようなリスク回避のため、敷金・礼金ゼロ物件は、周辺の家賃相場よりも若干高めの賃料設定となっている場合があります。
そのような物件の場合、短期間もしくは数年の居住予定で入居するならあまり影響はありませんが、10年以上の長期間の入居を考えているのなら、高めの賃料を長期にわたり支払う事となります。
例えば、相場より2,000円高い家賃の物件に入った場合、年間24,000円高めの家賃を支払います。3年位で退去すれば72,000円ですが、10年住んだ場合240,000円。結果的には最初に払う敷金と同じくらいの総額になり、その物件に対し支払う総額は変りません。
敷金・礼金ゼロ物件に入居するときは、周辺の家賃相場と比較し、居住年数を考慮し長い目で見た採算性で本当に割安なのかを計算しましょう。
3.意外とかかる「保証料」
前述にもあるように、敷金のない物件で家賃滞納があった場合、大家さんには補填する予算がありません。そのリスク回避のもうひとつの方法とし、敷金・礼金ゼロ物件の入居条件として「賃料保証」への加入を義務付けている物件も多く見受けられます。
「賃料保証」とは、「保証料」を支払う事により、一定の期間連帯保証人に代わり、家賃を保証してくれる会社です。
「保証料」は通常初回が賃料総額の50%がほとんどで、2年毎くらいに更新が必要となり、更新の際には「更新保証料」がかかります。「更新保証料」は滞納などがなければ、初回保証料よりも値引きされることが一般的ですが、値引率は保証会社によって様々です。
「保証料」「更新保証料」共に、入居者の負担となることがほとんどで、更新毎に支払う金額も長期間の入居により10年を越えたあたりから支払った合計金額は本来の「敷金」とあまり変らなくなってきます。
「保証料」の支払は、特に長期に居住を予定している方の場合、無視できない問題です。
割安感が強い敷金・礼金ゼロ物件ですが、視点を変えてみてみると意外な負担が見えてきます。
お部屋探しは、何より自分のライフスタイルに合った契約を行うことが大切です。
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