目次

  • こだわりの飼育方法
  • 飼育で苦労したこと
  • 生産者が語る「静岡そだち」の魅力
  • 今後の目標
  • 現場の光景

プロフィール

生産者名前 尾藤 和彦
農場名 静岡県浜松市北区三ケ日町
生産者歴 約30年
静岡そだちの生産歴 約5年
静岡そだちの飼育をはじめたきっかけ 以前はホルスタインを飼育していましたが、その後F1を飼育、その時により付加価値の高い牛を飼育したいと思い、約5年ほど前から今の「静岡そだち」を飼育し始めました。

こだわりの飼育方法

経済連の「飼育マニュアル」に沿って飼育しています。
エサの与え方からエサの量などがしっかりと決められているのでそれを順守して飼育しています。 ただマニュアル通りにエサを与えるのは簡単なのですが、それを食べさせるのはやはり大変です。
相手は生き物ですからその日の体調や気分に よって食べる量が多少違うので、それをいかに食べさせるかは我々生産者の腕の見せ所です。
エサは基本的には国産のワラと専用配合飼料を与えているのですが、そればかりだと飽きることもあるのでそれにプラスアルファで粗飼料などを 与えています。それでもなかなか食べない時もあるのでその時は初心にかえって、何が良いか一つ一つ試しながら創意工夫しています。
それで結果が出たことは、「静岡そだち認定農場の会」の皆さんとも積極的に意見交換しながらより良くなるように心がけています。
また素牛を購入してきた時と出荷前が一番気を使いますね。 購入してきたばかりの時は、環境が変わって一緒にいる仲間も変わるのでそれで体調を崩す牛も少なくないんです。そこで、体調管理を しやすいように一番近くの見やすい場所で飼育しています。もし体調が悪くなったら1頭だけみんなから離れるのでだいたい分かるのですが、 その牛に印をつけて徹底的に監視します。 だいたい素牛の購入から出荷まで約19カ月~20カ月位飼育するのですが、大きくなって出荷が近くなると、牛は寝て起きようとしても自分の体重で起き上がれなくなることがあるんです。そうならないように朝はまず全頭見回るのは当然ですが、 夜も一度は見回って異常がないか確認しています。

飼育で苦労したこと

一番の苦労はいかにストレスを軽減させるかですね。そのための環境作りには最も気を使っています。 牛にとっては気温10℃くらいが最適なので冬は問題ないのですが、問題は夏場なんです。気温が30℃を超えるとやっぱり牛もつらいので、私は細霧冷房をしています。
これもその日の気温に応じて5分置きとか10分置き等設定を変えています。またさらにそこに一工夫して私は 畜産用のアロマを入れています。今はジャスミンの香りなんですが、そうすることによってハエも来なくなり、またにおいも抑えられ牛もリラックス出来るからです。常に掃除などきれいにするようには心がけています。
人間と一緒で良い牛に育つかどうかはいかにストレスを与えずに、またいかにして良い環境の中で育てるかにかかっていると思いますので、 牛の立場に立って今後も試行錯誤しながらより良い環境をめざしてやっていきたいと思います。

またこれは苦労というわけではないのですが、出荷まで毎日一緒にいるわけですからどうしても情が移ってしまうことがあるんですよ。出荷するときにはうれしい気持ちと、寂しい気持ちと多少複雑な気持ちになったりもしますね。
普段から牛に感謝して、牛を飼育させてもらっているという 気持ちで接していますので、今後もこの気持ちは忘れずにいきたいと思います。

生産者が語る「静岡そだち」の魅力

「そだち」は静岡県を含め全国各地から血統と発育の良い黒毛和種の雌子牛を厳選して導入し、安定した良質肉を生産するために 黒毛和種雌牛の成長生理と健康管理を考慮した「静岡そだち飼育管理マニュアル」に従って飼育しています。
良質な牧草や稲わら、そしておいしい牛肉 作りの為の専用配合飼料(クイーンビーフ)で育てているので、黒毛和種雌牛独特のきめ細かくやわらかな肉質で、さらに甘みがあり、 口どけの良い脂肪が特徴です。
それにどの農場の牛でも同じ品質が実現できているというのも大きな特徴だといえると思います。

今後の目標

静岡県でも色々なブランド牛がありますが、そこで県を代表するようなブランドにしていずれは全国的なブランドとして認知されるようにしていきたいですね。
今は限定農場だけでしか生産していないので頭数があまり多くないですが、今後は1年を通して平均的に出荷できる体制を作る必要があると思います。
今は作れば売れる時代ではないので、いかに付加価値を付けるかが重要でそのためにこの「そだち」を飼育しているわけですが、 経済連さんの飼育マニュアルはあるとはいえまだまだこの品質を維持していくのはなかなか大変です。
もっと機械化をしていく必要があるのではないかと思っています。
そうすればもっと牛を見る時間が増え、さらに良い「そだち」が育てられるはずです。


私たち生産者がしっかりと目標を立てそれを達成するためにどうすればよいか日々試行錯誤を重ね、また「そだちの会」や 経済連さんと協力し、より良い品質を目指して努力していかなければいけないですね。

何度も言いますが、なんと言っても飼育する環境が一番ですので、より良い環境つくりを追及していきたいと思います。

現場の光景

  • 生産者の尾藤和彦様。
    より良い環境つくりの為に日々試行錯誤しています。

  • きれいな牛舎で開放的に育てられている牛たち。
    食欲も旺盛です。

  • きれいに掃除された牛舎。
    やはり環境が一番大切です。

  • 最近入荷した子牛たち。
    一番目の届きやすい場所で管理しています。

  • 細霧システム。
    夏場の暑さ対策のためには欠かせません。

  • 昼寝をする牛たち。
    人が来てもあまり気にせず寝ています。
    ストレスなくリラックッスしている証拠です。

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