◆適度な “酸味” に “甘味” と “コク”。静岡産、大玉トマト 「桃太郎」◆

 冬。小春を思わせる暖かさに保たれたビニールハウスの中は、トマトの香りに包まれ、穏やかな日差しを浴びて、大ぶりのつやつやとしたトマトの身が青から赤へと色づいています。1年中作られているトマトですが、冬トマトは12月から2月が収穫期。そのための作業は、夏の真っ盛りに始まります。

 さまざまな栽培方法があるトマト。品種や土壌に合った方法を工夫し、よりおいしいトマトづくりに取り組んでいることは、静岡県のどのトマト農家にも共通すること。味がよく、日持ちがする人気品種「桃太郎」をつくっているこの農家では、2種類のトマトの苗を継ぎ木し、おいしい実のなる木を育てています。

 おいしいトマトとは、身が締まって中身がぴっちりと詰まっていて、適度な酸味と甘味にくわえ、トマトならではのコクがあるもの。そうしたトマトをつくるには、種まきから収穫まで、すべての作業に気が抜けませんが、特に大事なのは、土壌の管理。気まぐれな天気に合わせて水の量を調節し、葉や成長の具合を見ながら、有機肥料をこまめに与える。トマトの木には、農家のそんな毎日の気使いが、赤い実となって結実するのです。